
「田七人参と高麗人参って何が違うの?」「どちらを選べばいいの?」
健康のために人参系サプリメントを検討すると、どちらが自分に合っているのか疑問に思ったことはないでしょうか。田七人参と高麗人参、どちらもウコギ科の植物で、古くから健康素材として重宝されてきた歴史がありますが、含まれる成分や期待できる働きには違いがあります。
この記事では、田七人参と高麗人参(朝鮮人参)の違いを、成分・働きサプリメントの選び方などの観点から徹底的に比較します。最後まで読んでいただければ、ご自身にどちらが合っているかがわかるはずです。
田七人参と高麗人参の基本情報
まずは、それぞれの基本的な特徴を押さえておきましょう。
田七人参とは

田七人参(でんしちにんじん)は、ウコギ科トチバニンジン属の植物で、学名を Panax notoginseng といいます。中国南部の雲南省などの限られた高地で豊かな土壌でのみ栽培できる希少な植物です。
特筆すべきは、種を蒔いてから収穫までに3〜7年もの歳月がかかること。さらに、一度収穫した畑は地中の栄養分を吸い尽くすため、その後10年間は同じ土地で栽培できないといわれています。
中国では古来「金不換(きんふかん)=金にも換えがたい」と呼ばれるほど貴重な存在で、16世紀に書かれた薬学書『本草綱目』にもその名が記されています。田七人参の最大の特徴は、サポニンの含有量が非常に豊富であること。高麗人参と比べてると多くのサポニンを含んでいるとされています。
高麗人参とは

高麗人参(こうらいにんじん)は、朝鮮人参・オタネニンジンとも呼ばれ、学名は Panax ginseng です。朝鮮半島や中国東北部を原産地とし、日本でも古くから栽培されてきました。
高麗人参は「万能の健康素材」として、東アジアの伝統的な健康法の中で最も広く知られている存在です。加工法によって「水参(生)」「白参(皮をむいて乾燥)」「紅参(蒸してから乾燥)」に分類され、特に紅参は栄養価が高いとされています。
滋養や元気をチャージしたいときに用いられてきた歴史があり、今日でもさまざまな健康食品やお茶に活用され日本ではメジャーな商品になっています。
成分の違いを比較
田七人参と高麗人参はどちらもサポニンを含む植物ですが、その含有量や成分バランスには明確な違いがあります。

サポニン含有量の違い(田七人参は高麗人参の約7倍)
両者の最も大きな違いは、サポニンの含有量です。
サポニンとは、植物に含まれる天然の配糖体の一種で、人参系植物に含まれるサポニンは特に「ジンセノサイド」と呼ばれます。田七人参には、このサポニンが高麗人参の約7倍も含まれていることが知られています。
サポニンの含有量が多いということは、同じ量を摂取した場合に、より多くのサポニンを体に届けられることを意味します。効率よくサポニンを摂取したい方にとって、この差は見逃せないポイントです。
その他の成分の違い
サポニン以外にも、両者にはそれぞれ特徴的な成分が含まれています。
| 比較項目 | 田七人参 | 高麗人参 |
| 学名 | Panax notoginseng | Panax ginseng |
| 主な産地 | 中国・雲南省、広西チワン族自治区 | 朝鮮半島、中国東北部、日本 |
| 栽培期間 | 3〜7年 | 4〜6年 |
| サポニン含有量 | 約12% | 約1.5〜2% |
| 特徴的な成分 | フラボノイド、デンシチン、田七ケトン、有機ゲルマニウム | ジンセノサイド各種、ポリアセチレン、酸性多糖体 |
| ミネラル | 鉄分・カルシウムが豊富 | カリウム・マグネシウムが豊富 |
| アミノ酸 | 必須アミノ酸を含む16種類 | 必須アミノ酸を含む複数種類 |
田七人参には、止血と活血の両面で注目される「デンシチン」という特有のアミノ酸が含まれています。また、フラボノイドや有機ゲルマニウムなど、健康維持に役立つ成分が幅広く含まれている点も特徴です。
一方、高麗人参はジンセノサイドの種類が多く、特に紅参に加工することでその種類がさらに増えるとされています。
期待できる働きの違い

田七人参と高麗人参は、同じ人参系でも違った働きを期待できる植物です。ただ「サポニン」が含まれるから同じ働きをするというわけではありません。
田七人参は「補血第一」
一方、田七人参は「補血第一(ほけつだいいち)」と呼ばれてきました。「血を補い、巡りをサポートする」という意味合いです。
以下のような場面で伝統的に活用されてきました。
- 健康診断の数値が気になり始めた方の栄養補給に
- 年齢とともにめぐりが気になる方に
- 女性特有のリズムの変化が気になるときに
- 毎日の食事だけでは栄養バランスが気になる方に
田七人参は、サポニンをはじめとする豊富な栄養成分によって、体の内側からの健康維持をサポートする素材として注目されています。
高麗人参は「補気第一」
高麗人参は、古くから「補気第一(ほきだいいち)」と称されてきました。「気を補う」、つまりエネルギーを充填するようなイメージです。
そのため、以下のような場面で伝統的に活用されてきた歴史があります。
- 季節の変わり目の体調管理に
- 毎日の活力を維持したいときに
- 年齢を重ねて元気が出にくいと感じるときに
- 寒さが気になる季節の栄養補給に
高麗人参は「体にエネルギーを満たしたい」と考える方に長く親しまれてきた健康素材です。
こんな方に田七人参がおすすめ
以下のような方には、田七人参がおすすめです。
- サポニンを効率よく摂りたい方 — 高麗人参に比べサポニン含有量は大きな魅力です
- 健康診断の数値が気になり始めた方 — 栄養補給として取り入れる方が増えています
- 年齢とともにめぐりが気になる方 — 「補血第一」の素材として伝統的に活用されてきました
- 女性特有の悩みがある方 — 年齢に伴う体のリズムの変化が気になる方の栄養補給に
- 鉄分・カルシウムも一緒に摂りたい方 — 田七人参にはミネラルも豊富に含まれています
こんな方に高麗人参がおすすめ
以下のような方には、高麗人参がおすすめです。
- 毎日の活力をチャージしたい方 — 「補気第一」の素材として元気の源に
- 季節の変わり目の体調管理をしたい方 — 伝統的に体調管理の場面で活用されてきました
- 紅参など多彩な製品から選びたい方 — 高麗人参はお茶・ドリンク・サプリなど製品の選択肢が豊富です
- 寒さに弱いと感じる方 — 体を温めたいときの栄養補給として親しまれています
田七人参サプリ・高麗人参サプリを選ぶ時のポイント

田七人参・高麗人参のどちらを選ぶにせよ、毎日口にするものですから「本当に良いもの」を見極めたいところです。ここでは、両方のサプリに共通する選び方のポイントと、それぞれ特有のチェックポイントを整理してご紹介します。
1. 共通:栽培方法と農薬の有無をチェック
田七人参も高麗人参も、土壌の栄養をたっぷりと蓄えて育つ植物です。だからこそ、栽培環境がそのまま植物の栄養に直結します。
農薬・化学肥料が使われていないか
無農薬・有機栽培の表示があるか
第三者機関の認証(有機JAS など)を取得しているか
特に田七人参は栽培期間が3〜7年と長く、その間に農薬が蓄積するリスクがあります。有機JAS認証を取得した製品なら、農林水産省の厳しい基準をクリアした証となり、安心して長く続けられます。
2. 田七人参なら「頭数(とうすう)」をチェック
田七人参の品質は「頭数」という独特の指標で表されます。1斤(約500g)あたり何個の田七人参が入るかを示すもので、数字が小さいほど大粒で栄養が凝縮されています。
20〜40頭:最高品質(大粒で栄養価が高い)
60〜80頭:標準品質
120頭以上:小粒で栄養価がやや劣る
サプリを選ぶ際は「40頭以下」の大粒サイズを使用しているかをパッケージや公式サイトで確認しましょう。明記していないメーカーは、品質に自信がない可能性もあります。
3. 高麗人参なら「年根」と「加工方法」をチェック
高麗人参の品質を見極めるポイントは「年根(ねんこん)」と「加工方法」です。
【年根(栽培年数)】
6年根:最高品質。サポニンが最も豊富に蓄えられている
4〜5年根:標準品質
3年根以下:若く、有効成分が少なめ
【加工方法による違い】
水参(すいじん):収穫したままの生の状態
白参(はくじん):皮をむいて乾燥させたもの
紅参(こうじん):蒸してから乾燥させたもの。最も栄養価が高いとされる
サプリで選ぶなら「6年根の紅参(紅参エキス)」を使用しているものが、品質的にはトップクラスです。
4. 共通:田七人参・高麗人参の配合量と含有率
「田七人参サプリ」「高麗人参サプリ」と謳っていても、実際の配合量はメーカーによって大きく異なります。原材料表示を確認するときのチェックポイントは以下です。
田七人参(または高麗人参)が原材料表示の先頭に書かれているか(原材料は配合量が多い順に記載するルール)
1日分あたりの配合量がmgまたはgで明記されているか
賦形剤や増量剤の比率が少ないか
主成分の含有量が曖昧な製品は、サポニンなどの有用成分も十分に摂れない可能性があります。
5. 共通:余計な添加物が少ないか
サプリは毎日、長期間飲むものです。だからこそ添加物はできるだけ少なくが鉄則。
合成着色料・合成保存料
人工甘味料・人工香料
不要なコーティング剤
これらがない、原材料表示がシンプルな製品ほど、素材そのものの力を活かしているといえます。
6. 共通:続けやすい形状と価格
どんなに良い素材でも、続けられなければ意味がありません。
粒・タブレット型:味や匂いが気にならず、初めての方にも続けやすい
粉末型:アレンジが利くが、田七人参・高麗人参どちらも独特の苦みあり
ドリンク型:吸収はスムーズだが、味の好みが分かれる
価格は1日あたりのコストで比較すると判断しやすくなります。極端に安いものは品質に妥協がある場合も多いため、「無理なく3か月続けられるか」を基準に選びましょう。
まとめ
田七人参と高麗人参は、同じウコギ科の植物でありながら、成分バランスや伝統的な活用法に大きな違いがあります。
|
田七人参 |
高麗人参 |
|
|
サポニン含有量 |
約12%(約7倍) |
約1.5〜2% |
|
伝統的な位置づけ |
補血第一 |
補気第一 |
|
こんな方に |
めぐり・栄養バランスが気になる方 |
活力・元気をチャージしたい方 |
サポニンをしっかり摂りたい方、めぐりや栄養バランスが気になる方には、田七人参がおすすめです。
サプリを選ぶときは、共通して「無農薬・有機栽培」「主成分の配合量が明記」「添加物が少ない」「続けやすい形状と価格」を基準にしましょう。さらに、田七人参なら「40頭以下の大粒サイズ」、高麗人参なら「6年根の紅参」をチェックすることで、本当に良質な製品に出会えます。
監修:吉田幸代/漢方カウンセラー

吉田幸代先生:過去に医薬品からサプリメント、医薬部外品まで幅広いヘルスケア商品の販売・指導に従事。一人ひとりの体質や症状に合わせたパーソナルな漢方カウンセリングを行っている。










