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田七人参根

田七人参とは?東洋医学が大切にしてきた希少植物の歴史・成分・選び方【完全ガイド】

2026.06.03

監修:漢方カウンセラー 吉田先生
本記事は、東洋医学・中医学の伝統的な考え方に基づき、漢方カウンセラー 吉田先生の監修のもと作成しています。


「田七人参っていいよ」と聞いたけど、「そもそも田七人参ってなんだろう?」「何にいいと言われているの?」と思った方も多いのではないでしょうか。

田七人参(でんしちにんじん)は、中国雲南省の高地で育つたいへん希少な植物です。中医学では古くから「血のめぐり」を語る際の代表的な生薬として重視され、現在では生薬だけでなくサプリメントや健康食品としても広く親しまれています。

また、近年ではサポニンをはじめとする豊富な栄養成分にも注目が集まり、多くの研究が行われています。

この記事では、田七人参とはどのような植物なのか、中医学で大切にされてきた理由、含まれる成分、高麗人参との違い、飲み方や選び方まで、初めての方にもわかりやすく解説します。

※本記事の東洋医学・中医学的な記述は、伝統的な考え方を紹介するものであり、医薬品的な効能効果や、特定の疾患の診断・治療・予防を示すものではありません。


田七人参(でんしちにんじん)とは?

田七人参

田七人参は、ウコギ科の多年草で、中国南部・雲南省を中心とした標高1,200〜1,800mほどの高地で栽培されている希少な植物です。

中医学では古くから生薬として利用されてきた歴史を持ちます。一方で、もともと食品としても利用されてきた植物であるため、現在では漢方薬局で取り扱われるほか、サプリメントや健康食品としても広く親しまれています。

東洋医学では「血のめぐり」を語る際の代表的な素材として重視されてきました。近年では、その豊富な栄養成分にも注目が集まり、健康維持を目的とした食品素材としても関心が高まっています。


田七人参が大切にされてきた理由──東洋医学の『瘀血(おけつ)』とは

東洋医学の『瘀血(おけつ)』という考え方

東洋医学では、私たち人間の体は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という3つの要素が体内を巡ることで健康が保たれていると考えます。

このうち「血」の流れが滞った状態を「瘀血(おけつ)」と呼びます。

イメージしやすく言えば、「川底に泥やごみがたまり、水の流れが悪くなっている状態」です。

古い血や不要なものが滞ることで、新しい血や栄養が十分に巡らなくなっている状態として説明されます。


瘀血の三大サイン

東洋医学では、瘀血のサインを大きく3つに分類して考えてきました。

※あくまで東洋医学の考え方であり、医学的診断ではありません。

黒ずむ

・顔色がくすむ
・目の下のクマが気になる
・シミ・そばかすが増えたように感じる
・唇の色が暗い

痛む

・同じ場所が重だるく感じる
・首や肩がこわばる
・頭が重い感じが続く

しこる

・体にコリやしこりを感じやすい
・月経周期に伴う不快感が重い

東洋医学では、ストレス、冷え、運動不足、食生活の乱れ、加齢など、現代人の生活の中で誰にでも起こりうる状態として説明されています。


中医学が田七人参に与えてきた3つの伝統的な位置づけ

気・血・水のサイクルイメージ

中医学では、田七人参は「瘀血」を語る際の代表的な素材のひとつとして位置づけられてきました。

活血化瘀(かっけつかお)

「滞った血をめぐらせる」という中医学の代表的な考え方です。田七人参を語る上で、最も中心となる概念です。

止血(しけつ)

中医学では「血を止めながらも、新たな瘀血を残さない」という特徴を持つ素材として語られてきました。古典では「止血して瘀を留めず」と表現されています。

消腫止痛(しょうしゅしつう)

「腫れを和らげ、痛みを鎮める」という伝統的な位置づけです。打撲や外傷などを語る場面でも取り上げられてきました。

これら3つはいずれも「血のめぐり」という一本の軸でつながっています。

そのため田七人参は、中医学において血のめぐりを語る際の代表的な素材として長く重視されてきました。

※中医学の伝統的な分類概念であり、田七人参サプリメントが特定の疾患・症状に対して薬理的に作用することを示すものではありません。

田七人参に含まれる主な成分

田七人参が長い歴史の中で珍重されてきた背景には、豊富な栄養成分があります。


サポニン

田七人参を代表する主な成分がサポニンです。

サポニンとは、植物の根や葉などに含まれる天然成分で、水に溶かすと泡立つ性質があります。名称は、ラテン語で石鹸(シャボン)を意味する「sapo」が語源です。

田七人参に含まれるサポニンは主にジンセノサイドノトジンセノサイドと呼ばれる種類で、その総含有量は高麗人参の約3.75倍と報告されています。

サポニンは田七人参だけでなく、大豆に含まれる「大豆サポニン」など、さまざまな植物にも存在する天然成分です。

田七人参には30種類以上のサポニンが含まれているとされ、その種類の多さと含有量の豊富さが大きな特長となっています。

関連記事:田七人参のサポニンが注目される理由(準備中)

フラボノイド

田七人参にはフラボノイドも含まれています。

フラボノイドは、植物が紫外線や外敵から身を守るためにつくり出す天然のポリフェノールの一種です。

ブルーベリーや緑茶などにも含まれることで知られており、田七人参にも含有されていることが報告されています。

必須アミノ酸・ビタミン・ミネラル

田七人参には、サポニンだけでなく、私たちの体に必要なさまざまな栄養素が含まれています。

必須アミノ酸

体内で合成できず、食事から摂取する必要がある9種類のアミノ酸のうち、複数の必須アミノ酸が含まれています。

ビタミン類

ビタミンB群をはじめとする各種ビタミン。

ミネラル

鉄分、カルシウム、亜鉛などのミネラル。

有機ゲルマニウム

田七人参に含まれる希少なミネラル成分のひとつです。

このように田七人参には、サポニンをはじめ、アミノ酸・ビタミン・ミネラルなど多様な栄養成分が含まれています。

田七人参と高麗人参の違い

田七人参と高麗人参

田七人参について調べると、「高麗人参(朝鮮人参)」との違いが気になる方も多いでしょう。

どちらもウコギ科の植物ですが、それぞれ異なる特徴があり、働きやお勧めする方も変わってきます。

比較項目 田七人参 高麗人参
学名 Panax notoginseng Panax ginseng
主な産地 中国雲南省・広西省 韓国・中国東北部
栽培期間 3〜7年 4〜6年
サポニン含有量 高麗人参の約3.75倍 基準値
中医学での位置づけ 「活血・止血」を語る素材 「補気」を語る素材
価格 希少性が高く比較的高価 流通量が多い

最も大きな違いは、サポニンの含有量です。

田七人参と高麗人参はどちらもサポニンを含みますが、研究報告では田七人参の総サポニン含有量は高麗人参の約3.75倍とされています。


「補気第一」vs「補血第一」

中医学では、高麗人参は「補気第一(ほきだいいち)」──「気(元気・エネルギー)を補う代表的な素材」として語り継がれてきました。

一方、田七人参は「補血第一(ほけつだいいち)」とも称され、「血のめぐり」を語る代表的な素材として重視されてきました。

同じウコギ科の植物でも、中医学ではそれぞれ異なる役割を担う素材として位置づけられています。

中医学での選び分けの目安

・「気(元気・活力)」を語るなら → 高麗人参

・「血のめぐり」を語るなら → 田七人参

関連記事:田七人参と高麗人参の違いを徹底比較

田七人参が注目される3つの理由

田七人参は、古くから中医学で大切にされてきた歴史に加え、豊富な栄養成分を含むことから、現在では健康意識の高い方を中心に注目されています。

ここでは、田七人参が選ばれる代表的な3つの理由をご紹介します。


健康的な毎日のサポートに

年齢を重ねるにつれて、「以前より元気が続かない」「朝からすっきりしない」と感じる方も少なくありません。
田七人参にはサポニンをはじめとするさまざまな栄養成分が含まれており、毎日の健康維持を意識する方から注目されています。
健康習慣のひとつとして取り入れやすいことも、田七人参が選ばれている理由のひとつです。


年齢を重ねた女性の健康習慣に

40代、50代、60代と年齢を重ねるにつれ、女性の体はさまざまな変化を迎えます。
そんな時期だからこそ、毎日の栄養バランスを意識することは大切です。
田七人参にはサポニンやフラボノイドをはじめ、多くの栄養成分が含まれており、毎日を健やかに過ごしたいと考える女性にも親しまれています。


栄養バランスが気になる方に

現代では、忙しさから食事が偏ってしまう方も少なくありません。
田七人参には、サポニンだけでなく、フラボノイド、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど多様な栄養成分が含まれています。
毎日の食事を基本としながら、栄養バランスを意識したい方の選択肢のひとつとして取り入れられています。

関連記事:田七人参の働きを専門的に解説

田七人参を飲む際に注意したい人

悩む女性

田七人参は、古くから食品や生薬として利用されてきた素材で現在サプリメントでも販売されていますが、体質や健康状態によっては注意が必要な場合があります。

健康食品は医薬品とは異なり、すべての人に同じように合うわけではありません。

初めて取り入れる方は、少量から始めて体調を確認しながら続けることをおすすめします。

妊娠中・授乳中の方

妊娠中や授乳中は、健康食品やサプリメントを新たに取り入れる前に、医師や薬剤師へ相談すると安心です。

医薬品を服用している方

現在治療中の病気がある方や、医療機関から処方された医薬品を服用している方は、自己判断で併用せず、医師や薬剤師へ相談しましょう。

持病のある方

高血圧や糖尿病などで治療を受けている方は、健康食品を取り入れる前に医療機関へ相談することをおすすめします。

体質に合わないと感じた方

飲み始めて体調に違和感を覚えた場合は使用を中止し、必要に応じて医師や薬剤師へ相談してください。

子供は飲むことができるか質問も多いのですが、子供も問題なく飲むことができます。ですが、大人と違い臓器が小さいため、臓器の大きさに応じ目安の量が変わってきます。

田七人参の正しい飲み方

田七人参を取り入れるなら、無理なく毎日続けることが大切です。
ここでは、市販されている田七人参サプリメントを例に、一般的な飲み方をご紹介します。


摂取量の目安

摂取量は製品によって異なりますので、必ず各製品に記載されている目安量を守りましょう。一般的には粒タイプの場合、1日4〜8粒程度を目安としている製品が多く見られます。

初めて飲む方は少量から始め、ご自身の体調を見ながら続けることをおすすめします。子どもが飲む場合は、体格や年齢に応じて量を調整すると安心です。

※妊娠中・授乳中の方や治療中の方は、医師または薬剤師へご相談ください。


飲むタイミング

健康食品である田七人参には、医薬品のような厳密な服用時間はありません。一般的には次のようなタイミングで飲まれることが多いようです。

食前

空腹時のほうが栄養成分を取り入れやすいと考えられています。

朝・夜の2回に分ける

1日の目安量を朝晩に分けることで、無理なく習慣化しやすくなります。

水またはぬるま湯で飲む

お茶やジュースではなく、水またはぬるま湯で飲むことがすすめられています。


継続期間の目安

田七人参サプリメントは医薬品ではなく健康食品です。そのため、短期間で変化を期待するものではなく、毎日の健康習慣として継続することが大切です。

まずは2〜3か月程度を目安に続けてみるとよいでしょう。「焦らず、毎日続けること」が取り入れるポイントです。

関連記事:田七人参の正しい飲み方・摂取量・タイミング

田七人参サプリの選び方

サプリメントの形状

田七人参サプリメントはさまざまなメーカーから販売されています。毎日続けるものだからこそ、品質や形状にも注目して選びたいところです。

ここでは、選ぶ際に確認したい4つのポイントをご紹介します。


■ 有機JAS認証の有無

まず確認したいのが有機JAS認証です。
有機JAS認証は、農林水産省が定めた基準を満たした有機食品だけに付けられる認証です。
毎日口にするものだからこそ、品質を判断するひとつの目安になります。


■ 頭数(40頭サイズが目安)

「頭数(とうすう)」は、田七人参の品質を見極める際の指標です。
頭数とは、1斤(約500g)あたりに含まれる個数を表します。数字が小さいほど一つひとつの根が大きく育っていることを意味します。
たとえば40頭は、500gあたり40個の田七人参が入るサイズです。一般的には40頭前後のものが十分に成長した品質の良い原料として評価されることが多く、品質と流通量のバランスにも優れています。
サプリメントを選ぶ際は、使用されている田七人参の頭数が明記されているかも確認するとよいでしょう。


■ 添加物の有無

サプリメントには、形を整えるための賦形剤や保存料などが使用されることがあります。毎日続けることを考えると、できるだけ添加物が少なく、素材そのものを活かした製品を選ぶことも大切なポイントです。


■ サプリメントの形状

田七人参のサプリメントには主に3種類の形状があります。

1.粒タイプ
サプリメントではオーソドックスな形状。田七人参の味は苦味が特徴的ですが、粒状になっているため苦味を感じにくく、飲みやすくなっています。

2.粉タイプ
粉タイプは成形しない分、添加物が粒タイプやドリンクタイプに比べ比較的少ないです。

3.ドリンクタイプ

粒タイプや粉タイプに比べると味が調整されているので比較的に飲みやすくなっています。

田七人参の基本情報

田七人参は、ウコギ科の多年草で、中国南部・雲南省や広西省の標高1,200〜1,800mほどの高地で栽培される植物です。

最大の特徴は、収穫までに3〜7年もの年月を要することです。

さらに、一度栽培した土地では連作が難しく、再び栽培できるようになるまで長い期間が必要とされています。そのため生産量には限りがあり、希少価値の高い植物として扱われています。

別名は**「三七人参(さんしちにんじん)」**。

この名前は、3〜7年という栽培期間や葉の特徴に由来するとされ、明の時代に編纂された薬学書『本草綱目(ほんぞうこうもく)』にも記載されています。

数百年にわたり受け継がれてきた植物であり、現在でも中医学や健康食品の分野で高い関心を集めています。

「金不換」と呼ばれる理由

田七人参は、中国では古くから**「金不換(きんふかん)」**──「金にも換えがたいほど価値がある」という意味の別名で呼ばれてきました。

その背景には、3〜7年という長い栽培期間と、中国雲南省を中心とした限られた高地でしか栽培できないという厳しい生育条件があります。そのため生産量が限られ、かつては一部の人しか手にすることができない希少な植物でした。

また、中医学では古くから重要な生薬のひとつとして重用され、多くの名医たちにも珍重されてきました。「金不換」という呼び名は、その希少性だけでなく、長い歴史の中で積み重ねられてきた高い評価を表しています。

近年では、伝統的な利用だけでなく、サポニンをはじめとする栄養成分についての研究も進み、現代の健康食品素材としても注目されています。

漢方カウンセラー吉田先生にFAQ


Q. 田七人参と高麗人参は同じものですか?

いいえ。同じウコギ科の植物ですが、学名や主な産地、中医学での位置づけが異なります。

高麗人参は「補気」を語る素材、田七人参は「補血」を語る素材として区別されてきました。

漢方薬局ではそもそも効果が違うものなのでそれぞれに効く症状が違います。


Q. 田七人参は漢方薬ですか?

田七人参は中国で古くから生薬として利用されてきた植物です。

実際に、漢方薬局でも田七人参は生薬として販売しています。田七人参は上薬(処方がなくても飲んでいいもの)に当たるので漢方薬局だけでなく、サプリメントや健康食品としても販売されています。


Q. 田七人参はいつ飲めばよいですか?

健康食品として利用する場合、厳密な決まりはありません。

ですが個人的には食前30分前がおすすめです。一般的には食前や朝・夜に分けて飲まれることが多く、詳しくはその商品の製品の表示に従ってください。

何よりも、継続して続けることを意識して飲んでみてくださいね。


Q. 田七人参はどんな人が注意した方がよいですか?

その方の状況によって変わるものなので、妊娠中・授乳中の方、持病がある方、医薬品を服用している方は、事前に医師や薬剤師へ相談することをおすすめします。

また、体質には個人差がありますので、初めて飲む場合は少量から始めると安心です。もちろん、お子さんも年齢に合わせて飲んでいただいても構いません。


まとめ

この記事では、田七人参の基礎知識から、中医学で大切にされてきた理由、含まれる成分、高麗人参との違い、飲み方やサプリの選び方までをご紹介しました。

最後にポイントを整理しておきましょう。

  • 田七人参(でんしちにんじん)は、中国雲南省の高地で栽培される希少なウコギ科の植物
  • 中医学では古くから「血のめぐり」を語る際の代表的な素材として重視されてきた
  • 「金不換(金にも換えがたい)」と呼ばれるほど高い価値を持つ植物として知られている
  • サポニンをはじめ、フラボノイド、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど多様な栄養成分を含む
  • サプリメントを選ぶ際は「有機JAS認証」「頭数」「添加物の少なさ」が目安になる
  • 毎日の健康習慣として無理なく継続することが大切

田七人参は、数百年にわたって受け継がれてきた伝統と、現代の研究の両面から注目されている植物です。

この記事が、田七人参について理解を深めるきっかけとなれば幸いです。


監修

漢方カウンセラー吉田先生

吉田幸代/漢方カウンセラー

過去に医薬品からサプリメント、医薬部外品まで幅広いヘルスケア商品の販売・指導に従事。一人ひとりの体質やライフスタイルに合わせたパーソナルな漢方カウンセリングを行っている。


参考文献

  • Mancuso, C. (2024). Panax ginseng and Panax notoginseng: From pharmacology to toxicology. Nutrients, 16(13), 2120.
  • Liu, H. et al. (2020). Constituents of Panax ginseng and Panax notoginseng explain why they differ in therapeutic efficacy. Journal of Ginseng Research.

※本記事は健康情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。東洋医学・中医学に関する内容は伝統的な考え方を紹介するものであり、研究結果は実験条件などによって異なる場合があります。体調に不安のある方は医師・薬剤師へご相談ください。

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